コーヒーカッピング

コーヒーテイスティングにおいて重要な要素の一つは、異なるコーヒー豆を同時に味わい、それぞれの持つアロマやフレーバー、テクスチャーなどの違いを感じとることである。カッピングは最も簡単に複数のコーヒー豆の持つ味の違いを感じとることが可能であり、コーヒー業界では広く用いられる手法となっている。カッピングを用いることで、実際に豆の味わいの違いが明確になり、自分自身のコーヒーの好みなどもはっきりと見えてくる。ここでは家庭でもできるカッピングにおける基本的な流れを紹介していく。

1. 道具

ケトル

特別なドリップ用のものなどでなく、一般的なケトルで問題ない。
使う水に関しては、水道水などではなくちゃんとした水を使用することが重要。

測り

豆とお湯の比率を正確に図る必要があるため、可能であれば小数点1位まで正確にわかるものが望ましい。

コーヒーミル

コーヒーミルは投入した豆全てを挽ききることができるものが望ましい(他の種類のコーヒー豆との混同を防ぐため)。
ここではハンドグラインダーを使用することもおすすめ。

スプーン

カッピングスプーンというカッピング用の特別なスプーンもあるが、スープ用のスプーンなどでも代用可能。複数必要。

カッピングボウル

こちらもカッピング用のものが存在するが、耐熱のグラスや、通常のマグなどでも代用可能。
5〜6個の同じようなサイズのカップが必要。

コーヒー豆

4〜5種類の異なる豆があれば理想的。各種20gあれば十分。

2. Brewing

カッピングにおいては、淹れる人のスキルによる味わいの違いがでないようにすることが重要である。また、一つ一つのカップを時間をかけて淹れるというのは、カッピングにおいては重要ではない。多くのカップを簡単に早く淹れるというの方がカッピングには必要なのである。カッピングの淹れ方は下記の通り

①豆を挽く:大きさはfineからmidium fineほどの細かさに挽く。挽いた豆はそれぞれカップの中に入れていく。

②お湯を入れる:それぞれコーヒーの入ったカップにお湯を濯いでいく。お湯を注いだら、4分ほどそのままおいておく。

③clean-up:4分経つとコーヒーのかけらがカップの上部に溜まってくる。コーヒー全体を3回ほど優しく混ぜた後、浮いているアクの部分を取り除く。

ここで重要となってくるのが、コーヒーとお湯の比率である。カッピングにおけるおすすめの比率はお湯1Lに対して、コーヒー豆75gである。例えば、250mlほどのカップを使用しているのであれば、お湯200mlとコーヒー豆12gが理想の比率である。コーヒー豆は通常お湯を入れた際に4倍ほどに膨らむので12gでも40-50gほどになる。万が一同じサイズのカップが複数ない場合には、最も小さいカップに量を合わせるか、それぞれ異なる量でも同じ比率で淹れてあれば問題はない。

またコーヒー豆の量に関しては、できる限り正確に入れることが望ましく、目標の重さから誤差0.1g以内が理想的である。例えば、12gのコーヒー豆を淹れるとすると、11.9〜12.1gの間で重さを調整したい。また、コーヒーを挽く前と後で重さが変わることがよくあるので、挽いた後に重さを確認することを忘れないようにする。また正確なカッピングを行う上では、コーヒー豆を淹れたらパッケージなどその豆に関する情報は遮断することが必要。豆の事前情報などはその豆の味わいへの率直な感想に影響をもたらしてしまうためである。

3. Tasting

アクを取り除いた後、さらに10分程度おく。出来たてのコーヒーはかなり高温であるというのに加え、熱いコーヒーでは通常味わいを感じとることが難しいからである。コーヒーが少し冷めたところで、スプーンを使いテイスティングをしていく。ここで重要なのはコーヒーを口に入れる際に音を立てて吸い上げることである。プロのバリスタが大きな音を立ててカッピングをしているのを見たことがある人もいるであろうが、重要なのは大きな音を立てることではなく、口の中にコーヒーをスプレーのように。これによりコーヒーの味わいやフレーバーが通常よりも口の中に大きく広がり、コーヒーの味わいがより鮮明になる。異なるカップをテイスティングする前には必ず、スプーンを洗う。コーヒーの温度が高い時から、室温くらいまで下がるまでこの工程を何度も繰り返す。

4. まとめ

カッピングはコーヒーの味わいを見極める最も簡単で効率の良い手法である。いくつかのコーヒー豆の中から自分の好みにあった豆を探す時、また、自分の好みの味を把握するためにもとても効果的であり、様々な場面で用いることができる。同じ原産国、同じ農園、同じ製法のコーヒー豆であってもその味わいは全く異なるのがコーヒーの奥の深さであり、面白さであると言える。パッケージや、原産国、コーヒーはこういうものなどという先入観を捨て、カッピングで感じた素直な感想に従い自分の好きなコーヒー豆を選んでいくことで、コーヒーの味わい深さをより感じれるようになるであろう。