コーヒー豆のグレードの中で最上位に位置するスペシャリティグレード。このスペシャリティグレードは限られた豆にしか与えられることはなく、原産地も限られた国のみであった。しかし、中国では近年このスペシャリティグレードとみなされるコーヒー豆が生産されるようになった。さらに驚くことに、有名なコーヒー豆産地で作られたスペシャリティコーヒーをも凌ぐ品質の豆も多く生産されている。お茶の生産国として知られていた中国が、コーヒーの産地としてその地位を急上昇させているのである。
元々お茶の生産を行なっていた肥沃な土地で作られるコーヒーは成長の過程で多くの栄養を吸収し、甘みの強い格別な豆が出来上がる。また、海外のコーヒー生産国から多くの専門家を招き、生産方法や、生産管理などを徹底することで品質の急速な向上を実現した。多くの中国産コーヒー豆は国内のカフェやロースタリーに出荷されてしまい、国外輸出分は非常に限られている。これにより、中国産コーヒー豆の市場価値が向上し、より多くの茶農家が珈琲生産を始めており、コーヒー生産が広まっているのである。
今後中国スペシャリティコーヒー豆が世界中で楽しめる日もそう遠くないだろう。そしてその頃には伝統的な中華はコーヒーと楽しむ新しい習慣が誕生しているかもしれない。