Beauty of Fermentation

(ファーメンテーションの芸術)

最近のコーヒー業界の中でも最も注目を浴びていると言っても過言ではないのがこのファーメンテーション製法である。それまでのNaturalやWashedと言った主流の製法とは大きく異なり、豆の発酵というプロセスに重点を置くことで、今までの製法では生み出すことのできなかった強いフルーツフレーバーや、ワインやウィスキーに例えられる独特の香りを持つコーヒーを生み出した。まだまだ発展途中のこの製法はあらゆる可能性を秘めており、日々それまでのコーヒーの概念を覆す味わいのコーヒーが生み出されている。アナエロビックファーメンテーションもファーメンテーション製法の一つであり、最近多くのカフェで見かけるようになった。ここではアナエロビックの中でも、2つのファーメンテーション(乳酸アナエロビックファーメンテーション、ウォッシュトダブルアナエロビックファーメンテーション)に関してそのプロセスの一部始終を紹介していこう。

Lactic Anaerobic Fermentation

乳酸アナエロビックファーメンテーション

収穫:⾚く熟したコーヒーチェリーからハンドピックで⼀つ⼀つ丁寧に収穫をし、Depulpingマシーンによって、コーヒーチェリーの⽪を除去する作業を⾏う。⽪が除去された⾖はミューシレージという粘り気のある蜜をまとった状態となる。地域によっては取り除いたコーヒーチェリーの⽪を使い、お茶として飲む場合もある。

乳酸発酵:ミューシレージの状態となった⾖は低温(20度以下)で発酵槽に約170時間漬け込まれる。低温での発酵により、乳酸菌の働きが活性化され、糖分を乳酸へと分解する乳酸発酵が⾏われる。このようにして発⽣した乳酸は独特なフレーバーをコーヒー⾖にもたらし、通常の製法では得られない特別な味わいとなる。

乾燥:170時間の乳酸発酵を終えた⾖は、ミューシレージを取り除きアフリカンベッドの上で乾燥される。乾燥が均⼀に⾏われるように、農家では1⽇に何度も⾖を⼿で混ぜている。⾖の内部の湿度を測り、11%以下になったら乾燥のプロセスを終え、出荷となる。出荷先で梱包の前にドライミルの作業が⾏われ、コーヒー⾖に付着したドライスキンが取り除かれる。

Washed Double Anaerobic Fermentation

ウォッシュトダブルアナエロビックファーメンテーション

収穫:⾚く熟れたチェリーからハンドピックにて収穫していく。チェリー内部の糖度を測ることでどれほど熟しているか判断できる機械もあり、⾖の種類により⾊と糖度を考慮してピックしていく。

1次発酵:収穫したチェリーを、チェリーの状態のまま120時間20度以上の状態でアナエロビック発酵を⾏う。20度以上を保たれたアナエロビック発酵により、イースト菌の働きが活発になり、発酵の⼯程を進めさせる。このイースト菌は多くのアルコールを製造する際に⾒られる菌であり、発酵により⾖に独特なワイニーな味わいがもたらされる。発酵を終えた⾖はdepulpingの⼯程に⼊り⽪が除去されミューシレージの状態となる。

2次発酵:ミューシレージの状態となった⾖は、2次発酵の⼯程へと移⾏する。2次発酵では50時間低温で再度アナエロビック発酵を⾏う。乳酸菌によって分解された糖分は乳酸へと⽣まれ変わり、独特な酸味を⾖に与える。これらの複雑な⼯程により、他とは違う特別な味わいの⾖となる。

乾燥:⼆度の発酵を経た⾖はミューシレージを取り除き、アフリカンベッドの上で3-7週間乾燥される(気候の条件等にもよる)。その後milling、梱包の⼯程を経て⽇本へと出荷される。

同じファーメンテーションでも、何度で発酵させるかや、何時間発酵させるかなどのあらゆる条件によりバクテリアの活動が異なり、生み出される味わいにも大きな違いが出てくる。まだまだ発展の余地があるこの製法は今後のコーヒーを席巻していく次世代の製法と言っても過言ではないだろう。

ファーメンテーションコーヒー豆