Carbonic Maceration

カーボニックマセレーション

ファーメンテーションプロセスがコーヒー業界に大きな衝撃を与えてから、コーヒー生産者の間で先進的なコーヒー精製の方法が試されるようになりました。中でも今最も注目されているのは、ナチュラル、ウォッシュド、ハニーなどのベースとなる3つの精製に発酵のプロセスを加えたファーメンテーション、そしてその発酵のプロセスをまた一段階昇華させた、”Carbonic Maceration(カーボニックマセレーション)”と呼ばれる精製方法です。

元々ワインの生産に使用されていたカーボニックマセレーションは、果実の発酵を行う際に意図的に作り出した二酸化炭素豊富な環境にて発酵を行うというものです。近年はやっていたアナエロビックファーメンテーションは、真空状態で発酵を行うというものでしたが、カーボニックマセレーションは意図的に二酸化炭素豊富な環境を作り出すことで、より繊細な発酵プロセスを作り出すことが可能となりました。それでは、具体的に発酵プロセスではどのようなことが起きているのでしょうか。

発酵とは酵素の働きにより、果実内の成分が分解され、通常では味わうことのできないフレーバーや香りが発生することで味わいに奥行きや深みを持たせることを狙いとしています。この酵素の働きには酸素が必要となります。カーボニックマセレーションでは、意図的に二酸化炭素豊富な環境を作り出し、二酸化炭素が充満した果実外部では働くことのできない酵素が果実内の酸素を使い働くように促します。つまり、酵素の働くベクトルを果実内に集中させることによって、より効率的かつ濃密に出来上がりのコーヒー豆のフレーバーを強くすることが可能になるのです。

カーボニックマセレーションの精製方法にはいくつかの手段が考えられ、密閉したタンク内に外部から二酸化炭素を注入するものと、コーヒーと一緒に密閉したタンクにバイオマスを添加し分解によって発生した二酸化炭素で容器内に二酸化炭素を充満させる方法とがあります。実際には、厳密な二酸化炭素状態充満を作り出すことは非常に難しく、密閉したタンク内で発酵環境に差異が発生してしまいます。そのため、自然発生的な二酸化炭素と外部からの二酸化炭素の注入両方を行うという場合も多く存在します。

このようにワイン生産などの異なる業種からヒントを得て様々な新しい精製方法がコーヒー作りに使用されています。農園では日々新しい精製方法が試作され今日も今までにないコーヒーが生産され市場を驚かせています。今後もそれぞれの農家が時間をかけて生み出した独自のレシピによって作られたコーヒーが、我々の日常に特別な時間をもたらすことは間違い無いでしょう。

カーボニックマセレーションコーヒー豆